植物を鉢で栽培して植物を楽しむ。
鉢植えの緑を取り入れた生活は、日常的になりました。

「盆栽」とは、器や鉢などの「盆」に植物を「栽」培するという意味。
意味だけを取ると、園芸の鉢植えと同じように思えますが、「盆栽」の大きな特色は、自然風景を鉢の中に切り取って作り出すところにあります。小さな鉢や器のなかで、四季の移り変わりや豊かな自然の風情を縮小して表現できるのが盆栽の最大の魅力です。

「BONSAI」の表記で、日本文化の一つとして海外でも人気が出ています。
盆栽と聞くと敷居が高く、難しそうに思えますが、もっと気軽に、もっと身近に、盆栽を生活の中に取り入れていただけたらと思います。

盆栽の4つの楽しみ方

出来上がった盆栽を楽しむ
出来上がった盆栽を観賞用として楽しみます。
水や栄養を与え、時おり剪定をするなどの基本的な管理ができれば、育てる楽しみが味わえます。
ミニ盆栽は、飾る場所も選ばず、初心者にも人気があります。

種や苗から育てる
種や苗を手に入れて、自分で一から育てます。
樹の種類によって変わりますが、早いものなら3年程度で盆栽の風体に育ちます。
作業も手間もかかりますが、育てる楽しみ味わいたいという方にお勧めです。

寄せ植えをする
季節や行事に合わせて樹を選び、一つの鉢に植えます。
森や林を表現したり、石や置物を添えて鉢の中に日本庭園を作り上げます。
近年は、フィギアを使ってジオラマのようにオリジナルの世界感を楽しむ人も。

展示会や競技会で技巧を競う
剪定をしたり、枝を針金で固定したり、屈曲したり、根を露出させたり、様々な技巧を用いて魅せる盆栽を作ります。その作品を展示会や競技会で競うことも盆栽の楽しみ方の一つです。

鑑賞の4つのポイント

盆栽を鑑賞するときに見たいポイントは「根」「幹」「枝」「葉」の4つです。


根の張り具合で、その盆栽の年月がわかります。
経年により、土をつかむように盛り上がってきます。


盆栽は、自然の大木の風情を鉢のなかに再現するもの。
盆栽の幹を下から覗いた時に、大木のような力強さを感じることができるものが良いとされています。


盆栽の枝はとても繊細。そして無駄な枝はありません。
盆栽全体のバランスが取れた枝ぶりのものが良いとされています。


紅葉したり、落葉したり、季節によって表情を大きく変えるのが葉です。
枯れていくさまも含めて、自然が表現される大切な要素です。

樹形を楽しむ

盆栽は、樹を楽しむもの。それぞれの樹を特徴を活かしたうえで、樹の姿を作っていきます。
盆栽には、たくさんの樹形がありますが、代表的な樹形をご紹介します。

直幹
幹がまっすぐ空に向かってに伸びているもの。
単調に見えますが、シンプルでごまかしがききません。

適している樹:スギ、ヒノキ

模様木
幹が曲がって曲線を描いたもの。
太陽光や風など自然の影響を受け、自然に生えているの大半がこれです。

適している樹:ゴヨウマツ、紅葉

懸崖
幹が鉢より下方向へさがっているもの。
断崖絶壁で力強く生きる木の姿を表現しています。バランス配慮が必要です。

適している樹:ゴヨウマツ、紅葉

斜幹
幹が左右どちらかに傾いたもの。
風や光の影響をうけて育ったことを表現しています。バランス配慮が必要です。

適している樹:松、スギ

吹き流し
幹や枝が一方向に伸びたもの。
風に吹かれてないびいているように見え、自然の強さが表現されています。